始まる前から、これは観ようと思っていた映画だったのですが、開始日が2月21日で、しかも埼玉県は例のごとく全部で3箇所でしか上映しておらず、さらに言うと今回は幸手!?どこですかい!みたいなところでやってて、遠くて嫌だなーって思っていたわけです。イオン浦和美園も遠いしもう一個は川越だからね。。。
そしたらさ、一昨日何となく映画情報を見てたら、「3月6日終了」って書いてあって、エッこないだ始まったばかりなのに!?ってなったわけです。そんで慌てて昨日見に行ってきました。「ドヴラートフ」を見た時は、これまた南古谷の遠い映画館まで行ったわけですが、観客私一人しかいなかったんですよ。あと蛾。蛾が飛んでて恐怖だったよね。
ノーアザーランドもそんな感じかなーって思ってたら意外と私含めて8人もいたよ!
どんな映画かというと、パレスティナ人がどういう扱いを受けているのかという記録でした。
ガザ地区にいたパレスティナ人って、あれはあの場所に集められたのな。そんで彼ら全員を殺すイスラエル兵。なんつったっけ、IDFみたいな名前の軍隊。イスラエル国防軍。
映画のパレスティナ人は、ガザ地区よりもう少し南東部、ヨルダン川すぐ西にある、一つの村の住人でした。
私20年以上前にチュニジアの田舎町に行ったことがあるんだけど、そこではさ、ステップ気候みたいな、岩山というか薄茶色の石がゴロゴロしているところと、砂場と、あとオリーブの木と、あとなんか茂みみたいのがたくさんある場所をさ、羊飼いの少年が、羊を移動させていたんだよね。その時、「羊毛!!!」って言葉が浮かびました。社会で習った!!羊毛!!まさに平地というかでこぼこした大地を、羊飼いが歩いていたんだよ。
私はその風景に偉く感動して、あー、羊飼いって本当にいるんだなー、そしてこういうことが日本では教科書に「羊毛」として載っているんだなあとしみじみ思ったわけです。
映画に出てくる村は、まさにそんな感じの景色で、一応舗装された道路は一本通っているけど、それ以外は一面、見渡す限りの大地で、その隅っこにコンクリートの家を建てて人々が暮らしていたわけです。ガザ地区とか見ると普通にビルとか商店とかがあるんだけど、その村は本当に羊毛って感じだった。そんな素敵な場所ってさ、ヨルダン川流域だけではなくても、世界中に必要じゃん?人数は多くないけど、村としてその産業を支えて、昔ながらの、地球リスペクト生活を送っている人々が住む場所。
そういうところで放牧をして暮らせるっていうのは、人数が少なくて、かつ、広い土地があるって意味なんだね。羊が群れをつくって移動できるんだもの。
イスラエル政府はさ、国土内にそんな広い場所が余ってるっていうのが気に入らないのかな。そこを法律で軍事演習場というふうに名付けて、その村に住む人々を追い出し始めたんだね。どうやったかというと、いきなりブルドーザーを持ってきて村の家をぶっ壊し始めたわけです。そして「ここにあるものすべてが違法建築物なので取り壊します」という名目で、村にある家を全部ぶっ壊して、十人をガザ地区に移動させたっていう話だよ。
さらにひどいのが、村に勝手に家を建てた挙句、そこに「入植者」を連れてきたんだよ。シオニストイスラエル人にその家を与えて、住まわせたんだね。その入植者たちは銃を持って村に入り、現地民を撃ったりしてたよ。もちろんその後「入植者」はガザ地区に暮らすパレスティナ人の家を奪うんだけど、その話はつい最近もニュースになっていて、みんなも知ってるね!
すごく印象的だったのが、ユダヤ人青年がその村のパレスティナ人に協力して全世界に何が起きているか配信してたんだけど、村のパレスティナ人青年が彼に向って「君は結論を急ぎ過ぎているんだよ」って言ってたこと。
ユダヤ人青年が、「この記事は4880のアクセスがあった」とかいう話をしていたらパレスティナ人青年が「君はまるで10日で全てを終わらせようとしているね」って笑いながら言ってた。「この問題は何十年も続いているのに、10日で変えようとしている。」村の人たちが襲われそうになった時も、「ユダヤ人が弱かった時もあったんだ。」って言ってた。
視野と思考が悠久。
今はイスラエルは武器を持っていて強いけど、弱かった時もあった。
“1900年代初めは、ユダヤ人は当たり前のようにパレスティナ人の間に暮らしていて、両者はそれぞれ関わって生活していたんだ。ユダヤ人の仕事は、弁護士だったり、コックだったり、色々だよ”
って、1920年くらいのパレスティナで暮らしていたユダヤ人が言ってた(これは映画ではない)のを思い出しました。
とにかく、人々は文字だけで「IDFは悪い」って言ってるけど、現実を見るとどれがどう悪いのかハッキリしてくるね。悪いのは分かってるけど、そんなに悪いんだ!ってわかんだね。
好きな言い方じゃないけどシオニズムの「解像度が上がる」映画でした。間に合ってよかった。