今朝ネットで炎上していた、誰かが誰かにDVを行うシーンの録音を聞きました。女がキイキイ言ってて男が「またやったね・・・」とか言っててまだキイキイ言ったら男がいきなり殴ってくるというビックリドッキリシーンでした。
殴るという行為は、当然ながら自分の思考を文字化、文章化出来ないから起こることで、更に言うと前頭葉が十分に発達していないので盛り上がった感情を抑えることが出来ないという状態が同時におきているわけです。
感情が盛り上がって泣いちゃうとかそういうのも前頭葉のなせる業なわけで、これは全部が全部悪いというわけではないのです。なぜならものすごく強い感情はため込むと体に良くないので涙として外に出したりプンプン怒ってガス抜きをしたりするのは体にとって悪いことじゃないからです。
しかしながら大体はその強い感情というのは子供のころから思春期にかけて、脳が発達していくにつれてだんだんと上手く付き合っていけるようになるわけです。感情を文字化、文章化することによって自分の気持ちを論理的に処理することが出来るようになるからです。これが理性的な人間を作り、社会生活を送るうえで「自分以外の人間を害すると自分にとって不都合である」ことを学ぶわけです。
DV(ドメスティックなバイオレンス)を行う人っていうのは大体が家族メンバーとか同居人とか近い友達と、自分そのものの距離が取れていない人です。
近いところにいつもいる=相手をよくわかっている=相手も自分をよくわかっている=同一人物(ただし相手の方が格下)
と考えがちなわけです。だから相手が自分の意思と異なることを行うと「え?なに!?なぜ俺の意思と異なること言ってんの?俺に喧嘩売ってんの?」と、俄然攻撃を受けた気持ちになるのです。完全に自分のことを分かっている、言ってみれば自分の意思と同じ存在から受ける強い被害です。
だから例えば普通の前頭葉の育った人から見ると「そんなこと」でその人は強く攻撃を受け深く傷つき、そしてストレス値がマックスに至るわけです。
別に瞬間沸騰してるわけじゃなくて、近い相手から受けた傷が深すぎるわけよ。そして自分の中で自分は被害者こいつ加害者やり返さなきゃみたいなのがあって、でも言葉が通じないから言うことを聞かせる(=お前は俺のものであるということを思い出させる)ために殴る蹴るの具体的な暴行に出るわけです。
で、まぁ例えば目の前の人物が明らかに痛がっていて、例えば吹っ飛ぶとか出血するとか泣くとか逃げるとかやると、ある程度の人間はもう大丈夫、勝ったって思って行為をやめるわけですが、逮捕されるレベルのDV野郎になってくると今度は様子が異なることが分かります。
今朝聞いたDVシーン録音では、殴っている男がひたすら殴りながら「ころしてやる。今すぐころしてやる」と、冷静に何度も唱えていました。
これはこのセリフを自分の口で言って自分の脳に聞かせてる時点で相手との関係性などどうでもよく、残りはちょっと高い位置から自分を見下ろし、殴る自分を客観的に見ているところがあるわけです。
映画見てるみたいな。
ここまでくると見えているのは自分のことだけ。相手の悲鳴だの痛そうな音なんかは全部自分の世界から乖離して、暴力的な自分と、それだけ相手に恐怖を与えることが出来ている自分を誇らしげに見ているのです。
だから結果相手が病院行くほどのケガを負ったり、なんならしんじゃったりするわけです。
でも暴力中は乖離しちゃってるから罪悪感とかもないの。ただ冷静になった時、いろんなことを思い出して、「ひょっとして、俺、怒られることやった?」みたいな感情になるわけです。
DV人間ってのは大体が他人との距離を誤っていることが多いので、まず一人になって色々向き合わないとダメだね。
しかしこの今の人間社会で一人になるってのは相当難しいから何とか頑張って気付いて欲しいね。