私は色んな国の昔話を読むのが好きです。その文化圏の人たちが何を聞いて育ったかっていうのはその文化圏への理解に繋がるからです。
なるべく日本から遠いところのことを知りたいので、日本と韓国以外のものを読むことが多いです。
キリスト教が広がる前からある昔話は全く想像もつかない、度肝を抜いてくるものが多くあります。昨日の夜読んだのはロシアの昔話の一つでした。
とある農民が、お父さんの残したわずかな財産の半分を、いじめられた犬を買い取るのに使ってしまい、残りの半分をいじめられた猫のために使ってしまい、お母さんに家を追い出されるという話。
珍しくどこかで聞いたような、ありそうな話だったのですが、追い出された息子は3年間修道院で働き、その給金に袋に入った砂をもらいます。袋を持って歩いていると目の前に火事が。火の向こうには美しい女性がいて、「その砂で火を消してください」と言います。
お?おう、なんだ、この娘を嫁にもらうのか?って思うじゃん。
そうじゃなくてこの娘は実は地帝国の王女で実際の姿はヘビ。ヘビとなって男の首に巻きつき、「お礼をあげるから地下の国まで行きなさい」て言って、地下の国の王様から魔法の指輪をもらいます。
お、なんだよ?指輪をもらって富と名声と女をもらう話かなってなるじゃん。
指輪をもらった男は家に帰り、何年か母親と一緒に暮らすんだけど、ある日突然
「嫁が欲しい」
と言い出して、母親を宮殿に使いにやって、王様に「王女様を嫁によこせ」と伝えます。王様から出された無理難題を指輪の力で解決して、王女様と結婚します。
今度こそめでたしめでたしか??って思ったら王女様が「こんな農民とアタシが夫婦とか全然耐えられない」って言って男から指輪を奪って、ネズミの国に逃げてしまいます。
え?ええっ?不穏じゃん。とはいえ身分制度のハッキリくっきりした国でたまに王女が農民に魔法で嫁がされてるけど、確かに嫌だろうね?
王女様は男が築いた御殿やら水晶の橋やらを全部ぶっ壊したので、王様が「ワシを騙してうちの娘をさらったな!」ってなって男を石でできた牢屋に閉じ込めて、断食から餓死の刑に処します。
なんでわざわざ石の塔築くんだよ。
打首とかそういう刑が存在しない時代なのかな?
いよいよおわりかと思ったら冒頭で助けた猫と犬が出て来ます。
100人居たら100人が「あ、まだ居たのか」て思うんじゃないかな、猫と犬。
そんで猫と犬が力を合わせて指輪を取り返しに行きます。猫は泳げないので犬の背中に乗って海を渡ります。
猫と犬は途中仲間割れを経て指輪を取り返し、ご主人様に渡します。
ああ、これでやっと終わりか、よかったなって思ってたら男は指輪の力でもって色々再建させ、王様に「自分は悪くない」と、顛末を話します。それを聞いた王様は怒り狂って自分の娘を死刑に処します。しかも、手足を縄で縛って4頭の馬に引かせる、引き裂きの刑ですよ。あったんだ?そのすぐ終わる刑?餓死の刑なんだったの?
王女様はすぐにバラバラになってしまいました!おしまい!
と言う話でした。
( ゚д゚)?こんな風になったよ、私は。
端折って末っ子にも聞かせたけど末っ子も
「( ゚д゚)?なんで王女様が死刑なんだよ」
て言ってた。そりゃ言うよね。小さい頃からこんな話聞かされてたらそりゃ女性差別主義者みたいになるよね、全員がさ。
すごい話だった。